HOMEニュース 運河の俳句 7月号より 2022年6月30日 ニュース 運河の俳句 五月憂し 谷口 智行 春雷のただよふごとく遠ざかるひじき蜑海のうねりをくねりといふ言ひわけをせざる生きざま焼栄螺雉の声コーセーセンクーと聞こえけり煙雨とて山割る力花うつぎ海風の届かぬ鄙に海桐咲く吾のみ知る七里御浜の青大将ふたとせのお役といへど五月憂しはつかなる風にもまれて麦熟るるよせかへす穂麦の波と医俳の波 今月の会員二十句 糶声に跳ね桜鯛うらおもて 大久保和子宮さんは子らの遊び場春休み 髙松早基子しばらくは飛ばずに跳んで雀の子 福田とも子春星や誕生の牛濡れて立つ 永田 英子恋猫の戻りてよりの甘えやう 木塚 眞人虚子の忌を限りに花の散りにけり 森山 久代滔滔と師系は継がれ春の星 星野乃梨子青春の欠片を拾ひ青き踏む 吉田 喬バギーから野に放たれて土筆摘む 木下 敦子若者が田に戻り来て山笑ふ 田中 久幸花仰ぐ度に園児の列乱る 廣瀬 裕千天神さん詣らず梅を見て帰る 土屋隆一郎柳絮飛ぶ采女神社の屋根を越え 田村 佐保筍を掘るや女の執念で 中村 敏之ぎこちなく父は子を抱き半仙戯 山本ますみふらここに老の身委ね物思ふ 四方 節子自衛艦卯波を割りて帰港せり 詫間えりこ頬杖の浅き爪痕目借時 山里 いと花見客競輪客と混ざり合ふ 齋藤 弘子卒業の胸許高き袴かな 砂川 勾玉 松瀨靑々師初期作品補遺 運河の俳句 8月号より